毎回クロス取りに関しては、ギャンブル性の強かった「ANA」と「JAL」ですが、「CFDを使えば逆日歩を払うことなく優待をゲットできるのでは?」と考え実践してみました。まずは「17、CFD投資方法」をご覧下さい。
結論から言いますと、失敗に終わりました。
業者によって手数料、スプレッド、約定方法等に違いがあるので、全ての業者において下記のことが当てはまるわけではありません。しかし基本的にはCFDは「相対取引」、業者にとって不利な注文は通りにくい、逆に有利な注文はあらゆる手段を使ってどんどん通していきます。
まず、大前提として成行で注文を出すことは避けた方がよいと思います(業者によっては成行の方が有利になることもありますが)。また、ハイレバレッジで一度に大量の注文を出すのも避けた方がよいでしょう。わざと約定させないケースが多発しています。
「全日空、株価400円、1単元1000株」とします。
例えばCFDで売値が400円と出ていた時、成行で売り注文を出すと、下手すると395円とかで約定されてしまうこともあるのです(1単元で5000円の損失)。必ずしも表示されている価格で約定されるとは限らないのです。このように成行で注文を出してしまうと業者にカモにされてしまう可能性があります。全日空は権利落ち日には株価が大幅に下落するから、権利日の引けに成行で売って、権利落ち日の寄付に成行で買い戻して、利益を得ようなんて考えでいると、下落分以上の損失を出すおそれがあります。
ここからは私の失敗談となりますが、数字は説明しやすいように変えてあります。
権利確定日、現物の株式市場で売り400、買い399円で取引されている。そこで「CFD指値400円で売り注文」を出しておいて、約定されたら「現物を400円、無理なら401円で買い注文」をすぐに出す。スプレッド1円(1000株で1000円+手数料)で取引をする予定でいました。もしCFDの売り注文が約定されないまま、現物の株価が上がってきたら約定を取り消そうと考えていました。その後、現物の株価は上昇してきましたが、400円でのCFD指値売り注文は全く約定されず、さらに現物の株価が上昇してきたので、CFDに取消注文を出しました。しかし・・・、なかなか取消ができない。そうこうしている間に現物の株価はさらに上昇、ようやく画面が出てきたので、確認をしてみたら、なんと400円で売り注文が約定していたのです。その時点で現物株は売り403、買い402円で取引されていました。あわてて現物株を403円で購入。費用を含めますと1単元で約5000円の損失となりました。5000円で優待券1枚ならいいかなと思われますが、今度は権利落ち日に同様の方法で決済しなければなりません。その時にも、このような状況になってしまった場合、結局1万円程度の諸費用がかかってしまうことになります。さらにやっかいな問題として「税金」があげられます。CFDと現物株の損益は相殺できません。場合によってはかなりの額の税金を払う必要が出てきます。
CFDの内部事情は詳しく分かりませんが、優待権利日付近において、高額逆日歩発生の可能性がある銘柄は、わざと約定をしにくくしているかのようでした。CFD取引においては、通常カバー先がヘッジとして顧客からの注文数と同量の注文を自らも行うとされていますので、もし日本の現物市場でこのヘッジ作業が行われているのなら、当然カバー先が逆日歩を負担することになるのだと思います。業者側が不利に決まっている権利日における売り注文を、普通に受け付けていたら業者は大損失を被ることになります。よってこれらの行為は仕方ないのかなと・・・。あくまでこれは私の勝手な想像なので、全く検討違いなことを言っているのかもしれませんが。
権利日付近の注文が通りにくいのなら、それでは前もって注文を出しておくのはどうか?
権利日とは全く関係ない日にチャレンジしてみました。権利日同様、思った値段では約定されませんでした。うまく約定できたという人もいるのでタイミングが重要なのかもしれません。また、『CFD取引において「1、配当・権利提供及び合併買収」「2、株式の借り入れが困難になった場合」「3、ヘッジファンドの売りが膨らんだ場合」株式CFDでは売り建てポジションの強制決済があります』と注意書きがあります。要するに、売りが困難になった銘柄を、売りポジションで保有していたら、強制決済されてしまうことがあるということです。現物の世界では売りポジションが強制決済されるなんてことはありえないのですが、CFDの世界ではこのようなことがあるのですね。業者に確認しましたら、ある日突然決済されるわけではなく、前もって連絡は行くようです。そんなに頻繁にある現象ではないようですが。
長期保有目的で、「CFD売り」「現物株買い」で保有していた場合はどうか?
CFDを売りで持っていると業者によっては金利がもらえるので、これはいいのではないか?と思われます。しかし、もし「CFD売り」が強制決済されてしまったら?CFDと現物株の損益は相殺できません。もしその時点で株価が大幅下落していたら、CFD分の税金を払う必要が出てきます。優待価値を大幅に上回る税金を払わなければならない状況が発生する可能性もあります。
CFDは現物株よりも少ない資金で投資が可能です。額は10%~100%と、その時の状況によって変化します。例えば取引した時は4万円口座に入っていれば40万円分の株式を保有できていたけど、3ヵ月後には40万円入れておかなければならないなんて状況も発生します。優待券のために80万円が拘束されることになるのです。
また、業者破綻のリスクも背負うことになります。通常株式の場合は仮に証券会社が破綻したとしても、保有株や預け入れ資産は手元に戻ってきます。しかしCFDの場合は信託保全や分別管理の度合いによっては、手元に戻ってこない可能性もあります。
全日空の株価の推移を見ても分かるように、長期保有なら、わざわざCFDで売りヘッジしなくても、現物株のみ保有していればよいのでは?となりますよね。
ちなみにJALは以前から全ての業者でずっと売り停止となっています。今後売りができるようになることはないと予想されます。ANAも売り停止になる日が近そうですね。
このように「ANA」と「JAL」のCFDを使ったクロス取りは現時点ではあまりお勧めできません。また日経平均225に採用されている他の銘柄は、現時点では諸経費の点で、正直メリットがないというのが現状です。
しかし、この先さまざまなCFD業者の参入が予想されます。また、現在の業者もシステムを変えてくることも予想されます。そうなりますと少ない経費でクロスできる状況が生まれるかもしれませんね。
(追記)どうやらANAも売り停止になったようです。これでCFDを利用した優待クロスは不可能になりました。