IPOセカンダリー投資とはIPOを初値で買って利益を出すことを目指す投資方法です。広い意味では、初値でなくても、初日や数日以内に買えばセカンダリー投資と言われる場合もあります。
初値で買ってくれる人がいなければ初値は上昇しません。IPOを初値で買う人はどういう人なのかというと、大型銘柄(東証1部など)を除けば、ほとんどが短期売買を主とする個人投資家(デイトレーダーと呼ばれる人たち)です。中長期の投資家は上場直後の銘柄というのは、銘柄にもよりますがよほどの事がない限り、あえて購入はしません。上場直後の銘柄は値動きが激しく、ハイリスクではあるもののハイリターンが期待できるのです。セカンダリー参加者は「このくらいの値段だったら、寄り付いたら、上昇するだろう」と思った値段まで、買い注文を出します。しかし、疑問に思うことがあるかもしれません。明らかに初値が高騰しすぎているのに、「この値段でいったい誰が買い注文を出しているのか?」と。公募で当たった人が初値をつり上げるために買い注文を出しているの?関係者による吊り上げが行われているの?中にはそういう場合もあるかもしれませんが、ほとんどは短期トレーダーの人たちによって初値がつりあがるのです。「いくらの初値がつこうと、機械的に初値で買って、その後、自らが設定した水準に来たら、機械的に売る(利益確定にしても、損を出すにしても)」というように、自動売買を行う人が多いのです。この人たちにとって初値は関係ありません。条件さえそろえば、とんでもない初値が付いた後も上昇する可能性があるのです。しかし、あまりにも初値が上昇しすぎた場合は、初値が天井となる可能性がありますので注文が取り消され、次第に買いが減っていきますが。銘柄さえ選べば、以前はこの機械的な売買で利益を出すことができました。しかし、次第に、「この機械的な売買をする人が増えた」→「初値が高騰する」→「初値が高値となり、その後株価は下落」→「セカンダリーの利益が出なくなった」→「セカンダリー参加者が減少」→「初値が上昇しなくなった」という形になってしまいました。
また、売りと買いの数にかなりの差があり、まだ全然寄り付かないなと思っていても、突然寄り付いてしまうことがあります。ベンチャーキャピタルなどが突然、大量に持ち株を売ってきた場合などです。その場合巨大な売り圧力がなくなるので一瞬にしてストップ高となるケースがあります。また、以前話題となりましたが、誤発注をねらっている人もいるかもしれません。
初値が付いた後は、各々のトレーダーが自分の感覚を頼りに売買をします。ただし、多くのトレーダーはただやみくもに売買しているわけではなく、過去のデータを分析し、そのシステムに沿って機械的に売買していています。過去、どのようなケースになると上昇する確率が高かったのか?どこに利益確定、損切りポイントを持ってくれば利益が確保できるのか?など。ただし、IPOのセカンダリーに関しましてはシステムどうこうではなく、結局は運しだいということになるのだと思いますが。
どのような銘柄がセカンダリーの対象となりやすいのかというと、
(1)まず公開規模です。市場からの吸収金額が小さければ小さいほど、初値は上昇します。金額が小さいのに、セカンダリーに参加する人は一定数いるので、初値後も、わずかな金額の買い勢力で、簡単にストップ高へともっていくことができるのです。
(2)次に、上場市場です。セカンダリーに人気のある市場は決まっていて、「マザーズ」や「ヘラクレス」となります。これらの市場は「若くて勢いがある」という印象からセカンダリーの対象となります。逆に地方市場(名古屋、福岡、札幌)は、注文が出せない証券会社が多く、出来高が少ないので、値幅取りを目的とした人たちからは人気がありません。
(3)次に、売買単位です。セカンダリー参加者は、秒単位で注文を出します。1株単位でしたら、注文を出す際に計算がしやすいのですが、100株、1000株となると頭の中で計算しなければなりません。一瞬の判断で注文を出さなければならないので、1株単位以外は取引がしずらいのです。よって「1株単位以外はセカンダリー参加者があまりいない」という固定観念ができてい、「みんなが参加しないんだったら、自分も参加は見送ろう」というようになってしまうのです。また、他の理由として、1株単位は新しい会社が多く、勢いがあるという印象があります。1000株単位となると、古い会社が多く、あまり成長に期待が持てないと理由から、1株単位に人気が集まります。
(4)最後に業績です。企業は上場するさいに、過去の業績の推移や、今後の見通しを公表します。それで、ここ数年間で急激に業績を伸ばしている会社は、今後数年先までの株価を見越して、とんでもない初値がつくことがあります。とんでもない初値が付いた後も、さらにその数年先までを見越して買われるケースがあるのです。
このように初値が上昇する条件として、「規模が小さい」「マザーズやヘラクレス」「1株単位」「好業績」がありますが、なんといっても上場時の地合(市場の状況)が一番重要です。歴史的に見ても、地合がよい時は初値が上昇し、地合が悪い時は公募割れが続出しています。地合がよければ、投資の対象としてIPOに目が向きます。地合が悪いと、IPOには目が向けられません。
セカンダリーで利益を出すにはどうしたらよいのか?
IPOは、高い初値が付いた場合、一定期間が過ぎるとほとんどの銘柄が下落していきます。いつ下落が始まるのかは誰もわかりません。よって、勘や雰囲気だけで買っていたらまず間違いなく損をします。
以前は比較的利益を出せた方法として、先ほども説明しましたが自動売買という方法がありました。機械的に初値で買って、利益確定と損切りポイントに売り注文を出しておくという方法です。しかし今は、この方法では損をしてしまうことの方が多いです。
また、初値で参加しない場合は、急落後をねらう方法があります。値動きが激しいIPOの場合、一日に何度か急落場面があります。一定の水準まで下落してしまったため自動で売りが一斉に出た場合などです。下げ止まりが確認できた場合、今度は一気に反発することが多いです。反発の瞬間を狙って、買い注文を出します。そして今度は売り注文を出す準備をして、反発が終わったなと思われた瞬間に売り注文を出すといった方法です。しかし、下げ止まったかと思ったが、再び下落してしまった場合などは、ためらわずに損切りしましょう。
即金規制(買い注文を出した時点で代金が全額徴収されてしまう)を狙うという方法もあります。IPOの初値が初日では値がつかず、翌日に持ち越しとなった場合、2日目は過熱をおさえるために、あまり買いが入らないように規制がかかります。よって買いが極端に減ってしまうのです。よって前日に大幅に買いが上回っていたけど、翌日には売り気配でスタートした銘柄なんかは、その翌日には即金規制が解除されるので上昇するだろうと予想され、午後の2時過ぎから買いが入るケースが多いのです。
最後に最近では比較的的中率の高い方法として、地合の流れの変化に乗るという方法です。好発進が見込まれながら、悪地合の中での上場となり、いまいちな初値を付け、その後もぱっとしない値動きが続いていた銘柄が、突然物色の対象となり、出来高が増え、株価が上昇を始める場合があります。そういった銘柄は1度火がつくと数日~数週間で一気に株価が上昇します。うまく流れに乗れば大儲けが可能です。このような銘柄が上昇を始めたころに、上場した企業はセカンダリーで利益を出せる確率が高いです。少し前までは地合が悪かったので、公募組みのほとんどが初値で売りを出してきます。初値がそれほど上昇しないのに、公募組みのほとんどが売却してしまったので、セカンダリー組みは初値後に買いを入れてきます。よって初値後に上昇しやすいのです。しかし、少し時間が経つと今度は初値が高くなりすぎて初値が天井となってしまうので、あくまでこの方法は地合が変化した瞬間だけに限られます。
セカンダリー投資は極めてハイリスクです。投資した金額を全部失っても構わないくらいの気持ちで臨まない限り、参加しない方がよいでしょう。